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タイ人を安く使う方法

 タイマッサージをビジネスチャンスだと考えた人のほとんどが、「タイからセラピストを連れてきて安い賃金で労働させたらどうだろう?」と考える。そうすれば、本場感が出せるし、人件費が安く済む分確実に儲かると思うからだ。
 タイ人の生活観をよく表す言葉が「サバーイサバーイ(快適快適)」。「楽しくなければ人生じゃない!」という姿勢で日々を生きるタイ人的発想の根底には、上座部仏教の教えに基づく優しさがある。いい加減さなど、日本人には戸惑うことも多いが、癒やしに満ちた生活環境は魅力的だ。
 実際にタイ人セラピストを常駐させて運営しているサロンも存在しているが、どういうやり方をしているのだろうか。答えは日本人と結婚しているタイ人女性を集めているのである。タイ本国からセラピストを連れてくるというのは、かなり審査が厳しい。ビザなしで世界中の国々に自由に出入りできるのは、経済大国である日本人だからであって、自分たちのほうが世界的に見れば特別なのだ。だから、自分の利益のために発展途上の国から外国人を連れてくるのは、現状では難しいと考えるのが一般的である。
 サロンのオーナーとして外国人労働者を雇用するためには、労働ビザを発行しなければならない。そのためには入国管理局の審査が必要なのだ。しかし、継続的に外国人入国者数が増加しているだけでなく、不法滞在者の滞留、不法滞在者の起こす刑事事件の増加などの問題がある以上、ビザの発給には国も慎重になっている事実も否めない。
 現在国内に少なくとも約27万人滞在している不法残留者以外にも、不法入国者がいるし、それら外国人の多くが不法就労者であると考えられるので、実際に「働いている外国人」の数は更に大きなものとなっている。その数の正確な把握は困難であるが、近年の日本国経済の低迷にもかかわらず,概ね増加基調で推移しているのだ。外国人を社員として迎え入れようとすれば、その在留資格は、「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」などだが、タイマッサージは、日本の国が定めたマッサージ資格ではないため、「技術者」としては認められないのである。
 仮になんらかの方法でタイ人を雇用したとしても、「安い賃金」で労働させることは不可能だ。何故なら、ビザを取得している外国人も日本の最低賃金法の適応を受けるからだ。安い賃金で過酷な労働を強いているというのは、裏社会のやり方なので堅気の我々にはまず無理だろう。また、日本には、正式にビザが発行されているタイ人だけで約5万人が存在するが、タイ人コミュニティが存在し、仲間から賃金に関する情報はすぐに入ってくる。海外の日本人が仲間意識を持つのと同じ心理なのだ。「あちらの店のほうが条件がいい」という情報が入れば、彼らはすぐに荷物をまとめていなくなる。日本人的考え方で言えば、「恩」や「義理」があるからこういった行動はタブーである。がしかし、彼らは日本に金を稼ぎに来ていることを再度認識しよう。日本人的考え方を押し付けようとしても、「自分自身を高く買ってくれるところに移って何が悪い?」と返されるのがオチなのだ。だから、タイ人と仕事をするには、それなりの覚悟が必要なのだ。タイ国籍のセラピストをうまく使おうと考えるのではなく、そのタイ人と家族になるくらいの気持ちが必要になる。同じ場所で寝て、毎度の食事も一緒にとる。そこまでの覚悟があるのなら、話は別だ。後になったが、彼らのパスポートを預かってしまうことが急にいなくなることの押さえになることを付け加えておこう。彼らは「外国人登録証明書」は肌身離さず身につけておく義務があるが、パスポートを預かることに法的規制はない。

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