二人で行なうヨーガ

 タイマッサージは、別名「二人で行なうヨーガ」 という異名を持つ。クライアントだけでなく、施術者本人の健康にも効果があるということである。アクロバティックなストレッチにも秘密があった。代替医療の中でも、多くの施術法では施術者の腰に負担がかかる。同じ姿勢で一定の方向性で圧を加えていくため、クライアントが椅子に腰掛けていたり、ベッドに横たわっていたりする場合、どうしてもそうなってしまう。ところが、マット一枚で行なうタイマッサージでは、施術者がいろいろな姿勢をとりながら施術を行なうことで施術者自身への負担が最小限に抑えられるわけだ。また、施術中にも、施術者本人がストレッチをしながら行なったり、自分自身のツボの位置にクライアントの身体の部位を押し当てたりすることで、実は施術者本人の健康にも効果がある。もうひとつは、瞑想法を伴った呼吸法による。圧迫では押す時にゆっくりと息を吐き、緩める時に息を吸う。 瞑想を伴った腹式呼吸で新しい酸素を取り入れながら、軽い運動をこなしているわけだ。つまり、タイマッサージは、受ける側だけでなく、それを行なう側の健康にも良い素晴らしい施術法なのである。リフレクソロジーや整体など、他のセラピーに従事していたプロの施術者がタイマッサージに転向してくるのは、こうした意味合いが大きいのかもしれない。

ストレス性疾患にすごい効果

胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸炎、うつ病、自律神経失調症、インポテンツ、更年期障害、偏頭痛、不眠症、円形脱毛症、ガンなどは、ストレスが原因で発症する病気、ストレス性疾患と言われている。近年問題となっている病気の発症には、ストレスが大きく影響していることがわかってきた。それだけひどい世の中なのか、現代人が弱いのかわからないが、どちらにせよ、多発している病だ。
医者から「ストレスを貯めないようにしろ」といわれたところで、普通に生活していれば、たまるのが普通だ。ストレスが全くない人間もいないだろうし、ストレスがあるのは当たり前だ。ましてやある程度のストレスが人を向上させるものでもある。ストレスが溜まりすぎると人は弱る。精神的にももろくなるし、同時に身体も弱る。免疫機能が低下し、抵抗力がなくなり、病の温床となる。ストレスを発散する方法は人それぞれだが、タイ古式マッサージはいい。ストレスを取り除く効果も認められている。クイックマッサージなどで部分的に凝った箇所だけをマッサージしてもらうと、そこが楽になった分だけ、他の箇所が辛く感じたりするものだが、タイマッサージは全身の血流を促してくれるので、とてもすっきりとした印象が続く。直後から元気になった感じがする。受けてみればわかる。少なくとも悪いという感想は聞いたことがない。
タイ本国では「タイ医学」という扱いで、タイ古式マッサージの効能を衛生省が掲げている。高血圧、冷え性、便秘、アレルギー、頭痛、糖尿病、生理不順、風邪の予防、低血圧、食欲不振、ぜんそく、貧血など、60種類以上にも及ぶ。不眠症やヒステリー、イライラの解放は、まさにストレスの解消である。
20世紀は西洋医学が世界的に伸長した時代。患部を見つけ、切った、貼った、という具合に修復する。まるで、部品の交換をするような考え方の上に成り立った治療法だが、こうした治療法が世界の医療を引っ張ってきた。車や機械ならまだしも、こうした治療法のマイナス面も問われる時代になってきた。たとえば、ガンになれば、抗がん剤を投与するのが一般的だが、抗がん剤はがん細胞だけを攻撃するのでなく、普通の正常な細胞も攻撃をする。手術をして冒された箇所を取り除いたとしても、人間の身体は、どこかに外傷があるだけで、本来の自然治癒力が減退する。つまり、その間に残っていたがん細胞の増殖を抑えることができない。だから、がんで手術をした人は数ヵ月後に再度手術を受けることになる。こんなことを繰り返すうちに弱って死んでしまうのが、がん患者の大半ではないだろうか?
そこで注目されたのが、免疫力を向上させようという考え方だ。もともと人間の身体には、免疫機能というものがある。今のところ、がん細胞は正常細胞の突然変異だということになっているから、免疫機能が活発に働いていれば突然変異の細胞を自然に治しているはずなのである。まるでインターネットのウィルス撃退ソフトに似ている。笑うこと、気に入った音楽を聴くこと、楽しく過ごすことなどで人間の免疫機能は活発になる。東洋医学では、「気」というものがある。インド医学・アーユルヴェーダでは「プラーナ」という。生命体のエネルギーのことだ。東洋医学は、生命体のエネルギーを調整するというなんともよく分からならい、うさんくさいような治療法だが、最近では、このエネルギーが科学で解明されるようになってきた。もはやそれはうさんくさい治療法では無くなったのだ。
水の入ったコップを2つ用意して、ひとつには「バカ野郎!こんちきしょう!」と呼びかける。もうひとつには「きれいだね。素敵だね。」と呼びかける。顕微鏡で覗くと、水の分子構造が異なっている。というのは、有名な話である。
 人間は太古の昔、神や悪魔の存在を信じていた。たとえば、「悪魔の谷には行くな。あそこの谷に行って帰ってきた者はいない。」こんな言い伝えがあったとしよう。現代人の私たちは、「そんな馬鹿な?」と思う。だが実際にそうだったのだとすれば、それは、ひょっとしてウィルスだったのかもしれない。現代的に言い換えれば、「ウィルスの谷には行くな。あそこの谷に行って帰ってきた者はいない。」となる。目に見えないものの存在を信じない人は多い。科学で解明されれば納得するものだ。このように東洋医学の「気」という考え方も科学で解明されてきた。

2007年に団塊の世代が定年を迎える

 団塊の世代とは、1947年から1949年に生まれた世代のことで、この年に定年を迎える方たちがたくさんいる。「2007年問題」と称され、労働力の減少が懸念されるという社会問題にもなっている。
2010年には、60歳以上の高齢者が日本の人口の20%を超える。つまり、5人にひとりが高齢者という計算になる。さらに2043年までは65歳以上の人口は増え続ける。2005年3月に実施された内閣府のアンケート調査では、消費者本人に対して、「今後、積極的にお金を使いたい分野」について質問している。これによると、50歳代や60歳以上の高齢者は旅行や健康・医療、介護等への選好が強いことがわかった。また、日本は平均寿命が82歳で世界一の長寿命国である。ということは、今から30年間は、シルバー市場が急拡大する。この世代が大きなビジネスマーケットになることは明白である。政治においても、医療費を高齢者自身が負担するようになった今日、高齢者の意識は、予防医学や代替医療に向かっている。

あんまマッサージ指圧師・国家資格の歴史

そもそも、現在のあんまマッサージ指圧師が国家資格となった歴史も思ったより浅い。それは、1993年2月のことで、2005年4月現在の累計合格者数は、2万3726人である。参考までに、紹介しておこう。あんまマッサージ指圧師とは、手や指、器具などを用いて身体の各部を押したり揉むなどして、こりをとったり血行を良くする仕事。都道府県知事による認定資格から、93年に国家資格となった。資格取得には、高校を卒業後、国が指定した学校か養成施設で、3年以上必要な専門知識や技能を修得しなければならない。資格取得後は、独立開業の道も開けているが、まずは治療院などに勤務して経験を積むことが先決だろう。はり師、きゅう師の資格とともに東洋医学のなかでは知名度も高いので、自分の腕を磨いて独立すれば高収入も期待できる資格である。受験資格は、大学受験資格があり、指定の学校または養成施設で、必要な知識および技能を修得していることなどで、受験資格にあるあん摩マッサージ指圧師養成の学校や養成施設で学ぶのが一般的。取得期間の目安は、国が定める学校や養成施設で3年以上、正規の課程を修学することが必要。試験は、年に1回各都道府県で実施される。2005年のデータによると、受験者数2055人、合格者数1750人。合格率は85,2%である。

国家資格を持たなくても営業できる!

リラクゼーションサロンは、国家資格を持たなくても営業が可能。あんまマッサージ指圧師や柔道整復士など、日本の国家資格を保有することで、「診断」→「治療」という医療疑似行為(マッサージ業)ができるようになる。逆に考えれば、「癒し」を提供するのみで「診断」や「治療」を行わないなら、国家資格はい要らない。もちろん、営業内容はマッサージ業ではなく、接客サービス業という扱いだが、整体やカイロプラクティック、リフレクソロジー、アロママッサージなども、民間資格のリラクゼーション業界に入る。みんなそれで立派にやっている。 保健所などに問い合わせをしてみても、明確な答えは返ってこない。民間資格は、管轄外だとの理由からだ。実際に問い合わせをしてみると、こんな会話になることがしばしば。「タイマッサージのサロンを開業しようと思っているのですが。」と聞くと、「マッサージですか。国家資格をお持ちでないとマッサージの治療院は営めません。」と返ってくる。それでは、「マッサージ業でなく、あくまでリラクゼーションを目的としたサロンなのですが、国家資格でないので、サロンを開業できないのですか?」と質問すると、「こちらでは管轄外になりますので、わかりません。」という答えになる。
このリラクゼーション業界は「グレーゾーン」とも呼ばれている。その理由はこのあいまいさにある。現在の法律では、白でもなければ黒でもない、そうした中途半端な扱いなのだ。しかし、需要に支えられて急速に加速するリラクゼーション業界、ほとんどのサロンは届出しないまま営業をしているのが実情。もしも、将来的に法改正があったとしても、そこには「既得権」というものが存在する。すでにそれで生計を立てている人が全国に数万人もいるのだから、国もそう簡単に営業権を奪うことはできない。もしもそんなことがあれば、経済的な混乱や暴動をも招きかねない。

リラクゼーションサロンの市場規模

 リラクゼーションサロンの市場規模は2001年に2000億円を超えた。さらに年に10%ずつ伸びを続けている。市場規模は、エステ市場の4000億円、健康食品市場の1兆円と比べて、まだまだだが、逆に言い換えれば、これからますます市場が拡大すると予想できる。なぜなら、顧客の層を考えてみると、エステのようにある程度限られた顧客層と比較すると、リラクゼーションサロン市場では、老若男女が対象となり、ぐんと対象が増えるからだ。ストレスを取り除くという考え方が一般的になればなるほど、リラクゼーションサロンの利用も一般的なものになっていくだろう。潜在的には8000億円規模の市場があると考えることができる。

今、癒し産業が求められるわけ

 20世紀の産業の中心は、「衣・食・住」と言われ、生活を豊かにするための産業が時代を担ってきた。食べるものや着るもの、屋根のある暮らしは、すでにほとんどの人々が手に入れ、日本人の生活水準は世界的にもトップレベルの裕福な水準であることは明白な事実である。21世紀に突入した現代、伸びる産業の中心は、「心・技・体」に関するものと言われ、新たな分野が注目されるようになってきた。その中でも「癒し」というキーワードは、人々が疲れていることの裏返しであり、疲れていれば疲れているほど、この「癒し」というキーワードは人の心を揺さぶることになるものだ。社会の構造そのものが複雑になり、情報が氾濫し、あらゆる価値観が肯定されている現代、私たちは何を信じて生きていけばいいのかわからないまま、日々の生活を続けている。そんな暮らしは人々の心の奥底にストレスを作り出す。しかし、私たちは、どうすることもできないまま日常を送っているわけである。
 幼児が虐待され、死体が山の中で発見される。警察官が暴行を働き、医師も日常的にミスを犯す。違法建築のマンションが販売され、税金が投入される。大企業が買収され、政治家も一端を担ぐ。・・・・・一生懸命働く人間が認められることは少なく、株や企業買収でお金を動かすことでしか巨万の富を築けない。こんな世の中で人は宗教に身をゆだねることくらいしかできないのかもしれない。こんな世の中でストレスがたまるのは当たり前。事実、「癒し」をテーマに営業するリラクゼーション業界は、ものすごいスピードで広がりを見せている。癒し産業の中でもリラクゼーションビジネスの成長には目を見張るものがある。リフレクソロジーやマッサージなどのサロンがあちらこちらにでき、エステサロンもゲルマニウム温浴や岩盤浴などのサービスを始めている。サウナや健康ランドの中にも、もともとあったクイックマッサージ以外にリフレクソロジーやフェイシャルマッサージなどのサービスが加わり、総合癒し施設へと変化を遂げている。これらは、まさに「心・技・体」というカテゴリーの王道とも言える内容であり、この勢いは、決して日本だけのものではなく、アジアやアメリカ、ヨーロッパなど世界的なもので、その背景には、さらにいろいろな要因がある。
 情報化社会と呼ばれるように、さまざまな情報が氾濫し、多くの人々がストレスを抱えていること。パーソナル・コンピューターなどのデジタル機器が普及し、社会的にも機械を使うシステムが中心になり、真逆な人の手のぬくもりに触れる機会が少なくなったこと。西洋医学の限界が認識され、病気になってから治療する前に、病気にならないための予防医学という考え方が一般的になってきたこと。人体は、ストレスの影響を受けることで、免疫機能が低下し、疾病の原因を作っているという考え方が解明され、ストレスを取り除くことが予防医学の第一歩であると認式されてきたこと。東洋医学の「気」という存在が科学的に解明され、決してうさんくさいものではなくなったこと。リラクゼーション目的であれば、サロンを開業するにあたっては、めんどうくさい届出の必要がないこと。また、仕入れをしなくていいので、少ない先行投資で営業を開始できること。理由を挙げてもきりがないくらい多い。とにかく、このリラクゼーション産業の勢いは、時代の反映であるといえるだろう。

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