中国医学に見る身体論

 中国医学でも、人体の活動を担う本質は、臓器である五臓六腑ではなく、その中を流れるものにあると考えられている。臓器や消化器官、骨格は、入れ物に過ぎず、その中を流れる「気」と「血」が重要なのだ。中国医学においても、「セン」と同じように全身を流れる「経路」がある。「経路」は、「気」と「血」が流れるルートで、十二経脈には手太陰肺経、足太陰脾経など、身体の役割と臓器にちなんだ名前が付いている。
 「気」は、気力の気、元気の気であり、身体を動かす目に見えないエネルギーをいう。
 「血は」身体を養う栄養素であると同時に栄養素を運ぶ役割を担っています。西洋医学でいう血液よりもかなり広い意味をもっています。
 「水」は身体に潤いを与えるもので、「気血」は身体を温めますが、「水」は身体を冷やす役割をしています。経穴(ツボ)は、経路上にある点で、 経路を電車の路線に例えれば 、経穴は駅にあたる。1970年代の中国では、患者に鍼を刺した時の痛み響きの走る路と考えた医師もいたが、はっきりとした結論は出ていない。
 
 気血水のそれぞれの状態を以下に記載したので、参考にしてほしい。

■「気滞」気が過剰で、体内で滞った状態
・イライラしやすい。
・下腹部に膨満感や痛みがある。
・ 腹部にガスがたまりやすい。
・ストレスがたまりやすい。
・ストレスによる偏頭痛がある。
・脇腹が痛むことがある。
・ストレス性の胃炎や胃痛がある。
・耳鳴りがする。
・げっぷがよく出る。
・下痢と 便秘をくり返す。

■「気虚」気が不足した状態

・体が疲れやすい。
・気分が滅入りがちだ。
・食が細い。
・下痢しやすい。
・汗をかきやすい。
・食後はすぐに眠くなる。
・消化不良や胃もたれを起こしやすい。
・寒がりである。
・寝起きが悪い。
・気力が続かず,がんばりが効かない。

■「お血」血が過剰で体内で停滞した状態
・肩や首の凝りがひどい。
・痔疾があるか、痔になりやすい。
・皮膚が黒ずみやすく,あざがある。
・夜になると肩こりや腰痛が悪化する。
・舌が紫色か、紫や黒の斑点がある。
・体のどこかがしびれる。
・手足の先が冷える。
・血圧が高めである。
・シミやソバカスができやすい。
・顔や手のひらが赤い。

■「血虚」血が不足した状態
・冷え症である。
・めまいや立ちくらみがする。
・貧血ぎみである。
・疲れやすい。
・目が疲れやすく,かすむ。
・ぐっすり眠れないと 感じる。
・顔色が白い。
・つめの色が白い。
・髪がパサつき,切れやすい。
・肌が乾燥ぎみである。

■「痰飲」水が過剰で停滞した状態
・むくみやすい。
・体が重く、だるい。
・湿度が高いと調子が悪い。
・舌苔があつい。
・食欲があまりない。
・水分を取り過ぎると調子が悪い。
・たんがよく出る.
・太り気味である。
・お酒を飲むと下痢をする。

■「陰虚」水が不足した状態
・口がよく渇く。
・ほてったり、のぼせたりする。
・疲れやすい。
・から咳をよくする。
・にぶい腰痛がある。
・便秘ぎみで,コロコロとした便が出る。
・肌が乾燥している。
・舌の赤みが強く、舌苔が薄い。
・やせている。
・尿の出が悪い。

10本のセンと適応症状

 タイ医学では、それぞれのセンごとにどんな症状の場合に、このライン上を施術するか、以下のように定められている。10本のセンも左右で呼び方が違い、ラインとしては6本ということになる。一般的にタイマッサージをリラクゼーション目的で行う場合には、特にこれらを分けて施術することはあまりないが、 治療目的で行なう場合には、これらのセンを用途別に使い分けることになる。

■セン・スマナ(Sen Summana)
[場所] (中央)舌先〜喉〜胸〜みぞおち
※このラインはヨーガでいうスシュムナ・ナーディーに近い
[適応症状] ぜんそく、気管支炎、胸部の痛み、吐き気、風邪、咳、喉の疾患、腹痛、躁病、心臓病、横隔膜のけいれん、上半身のマヒ、消化器系疾患、白昼夢など

■セン・イッタ(Sen Ittha)
[場所] (左)左の鼻孔〜頭頂部〜首〜背中1stライン〜臀部〜脚外側3rdライン〜膝〜脚内側1stライン〜腹部〜へそ左横のポイント(セン・ピンカラの反対側)
※このラインはヨーガでいうイダナーディー、中国医学の膀胱経の一部に近い
[適応症状]鼻の不快感、副鼻孔疾患、頭痛、首こり、背中の痛み、風邪、膝の痛み、貧乏ゆすり、泌尿器官疾患、腹痛など

■セン・ピンカラ(Sen Pingkhala)
[場所] (右)右の鼻孔〜頭頂部〜首〜背中1stライン〜臀部〜脚外側3rdライン〜膝〜脚内側1stライン〜腹部〜へそ右横のポイント(セン・イッタの反対側)
※このラインはヨーガでいうピンカラナーディー、中国医学の膀胱経の一部に近い
[適応症状]鼻の不快感、副鼻孔疾患、頭痛、首こり、背中の痛み、風邪、膝の痛み、貧乏ゆすり、泌尿器官疾患、腹痛、および肝臓疾患、胆のう疾患など

■セン・カラタリ(Sen kalayhari)
[場所](上)へそ〜腹部〜胸部〜両肩〜両腕内側〜手〜指関節〜指先
(下)へそ〜鼠経部〜両脚内側2ndライン〜足〜足底ポイント3〜足指先
[適応症状]消化器系疾患、消化不良、背中の痛み、背骨の痛み、腕の痛み、腕のマヒ、脚の痛み、脚のマヒ、膝の痛み、指の関節炎、胸の痛み、ヘルニア、てんかん、卒中、精神分裂症、ヒステリー、精神障害、不整脈、狭心症、リウマチ性心臓病、静脈炎、黄疸、百日咳など

■セン・サハサランシ(Sen Sahatsarangsi)
[場所](左)左目〜喉〜胸部左側〜腹部左側〜脚外側1stライン〜足底〜脚内側1stライン〜鼠経部〜へそ下ポイント
※このラインは中国医学の胃経の一部に近い(セン・タワリの反対側)
[適応症状] 顔面マヒ、歯痛、喉の痛み、目の充血、目の腫れ、白内障、目の機能障害、胸の痛み、胃腸病、泌尿器系疾患、発熱、脚のマヒ、脚のしびれ、膝関節痛、ヘルニアなど

■セン・タワリ(Sen Thawari)
[場所](右)右目〜喉〜胸部右側〜腹部右側〜脚外側1stライン〜足底〜脚内側1stライン〜鼠経部〜へそ下ポイント
※このラインは中国医学の胃経の一部に近い(セン・サハサランシの反対側)
[適応症状]顔面マヒ、歯痛、喉の痛み、目の充血、目の腫れ、白内障、目の機能障害、胸の痛み、胃腸病、泌尿器系疾患、発熱、脚のマヒ、脚のしびれ、膝関節痛、ヘルニアおよび黄疸、虫垂炎など

■セン・ラウサン(Sen Lawusang)
[場所](左)左耳〜喉の左側〜胸部左側〜乳首左側〜みぞおち
※(セン・ウランガの反対側)
[適応] 耳の疾患、難聴、耳鳴り、咳、顔面マヒ、歯痛、胸の痛み、胃腸障害など

■セン・ウランガ(Sen Uragka)
[場所] (右)右耳〜喉の右側〜胸部右側〜乳首右側〜みぞおち
※(セン・ラウサンの反対側)
[適応症状]耳の疾患、難聴、耳鳴り、咳、顔面マヒ、歯痛、胸の痛み、胃腸障害および不眠症、皮膚下のかゆみなど

■セン・ナンタクラワット(Sen Nathakrawat)
・セン・シキ二(Sen Sikhini)     
[場所] へそ〜尿道〜尿道口
・セン・スクマン(Sen Sukhumang)
[場所] へそ〜結腸〜肛門
[適応症状]ヘルニア、頻尿、不妊症、生理不順、性的不能、早漏、尿閉、下痢、腹痛など

■セン・キチャナ(Sen Khitchanna)
・セン・ピタクン(Sen Pitakun)
[場所](男性)へそ〜陰茎
・セン.キチャ(Sen Kitcha)
[場所](女性)へそ〜子宮〜膣
[適応症状]ヘルニア、頻尿、不妊症、生理不順、性的不能、早漏、尿閉、下痢、腹痛および性的衝動の安定


「気」「プラーナ」はやはり存在する

 「気」とか「プラーナ」いう生命エネルギーは何だろう。うさんくさいものだと感じる方にもう少し詳しく説明しよう。「気」「プラーナ」は波動に現れる。波動というのは、つまり、振動のことだ。分子レベルにおいては、地球上の万物にはそれぞれある一定の振動があるということ。もちろん非常に細かい振動であるために目には見えない。しかし分子レベルでは振動を持っているのだ。そこいら辺の石ころにも、植物にも、人間にも波動がある。 たとえば、クォーツ時計というのがある。水晶時計のことだ。これは、電圧をかけると一定の振動が現れるしくみでできている。人体の波動に最も近い波動を持った水晶を利用して現在クォーツ時計が主流になっている。「気」の存在はすでに確認されているのだ。
 

タイマッサージの基本理論(プラーナとセン)

 タイ古式マッサージは、人体に「セン」と呼ばれるエネルギーラインが流れているという考え方の上に成り立っている。このセンは目に見えないもので、解剖学上確かめることはできない。このエネルギーラインの考え方は、古代インド医学(アーユルヴェータ)にも存在している。タイマッサージが、アーユルヴェーダの影響を受けていることはこのことからも明らかだ。 中国の経路にもこのようなエネルギーラインが存在する。これらは似通っていますが決して一致はしない。目には見えないけれども、確実に作用する力。それこそが不可思議なエネルギーであり、それが「気」である。東洋医学全般にこのような「気」の流れる道があるとされ、まさにタイ古式マッサージも東洋医学のひとつなのである。
 人間は、自分を取り巻く宇宙エネルギーと常にバランスを保ちながら、肉体や精神を維持している。呼吸によって吸収された空気や食事によって吸収された食物は、人体に入ってから生命エネルギー(プラーナ/気)に変わり、エネルギーラインを通 って全身に供給される。つまり、エネルギーラインは、自分と宇宙エネルギーを結ぶ掛け橋の役割をしているのだ。エネルギーラインは、10本のセンのほか、網の目状にめぐる気道72000本のナーディーを加えて「2番目の皮膚」「2番目の身体」として人体を形成している。たとえば、人間が具合が悪いという状態は、生命エネルギー(プラーナ)の供給が妨害され、不足した状態と考えられる。そこで、マッサージによってエネルギーラインに刺激を与え、生命エネルギー(プラーナ)の流れを正常にしていくというわけ。
 プラ−ナとは、サンスクリット語で「古い伝説」という意味。ヒンズー教の教えで神々を讃える内容のこと。インド医学では、体内に宿るエネルギーのことをこう呼ぶ。それは大きな活力を持ち、ときに激しく運動するというもの。このプラ−ナが渦巻きのように凝縮した場所をチャクラという。チャクラは輪とか車輪というサンスクリット語で、「意識エネルギーの中心」という意味。大脳から脊椎基底部の7ヵ所に存在する。チャクラは車輪に例えると、人間の生命は7つの車輪によって走る車ということになる。すべての車輪が絶えず回転し、人の生命を制御し進展させているという考え方だ。
 タイマッサージでは、エネルギーラインの中でも特に重要とされる10本の全身のセンを刺激するようにして施術を行う。「セン」というエネルギーラインの存在自体は、解剖学上確認できないが、現代では、「気」や「プラ−ナ」の存在も明らかになってきている。その存在は、波動という形で確認できる。

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