ビジネス街サロンと住宅街サロン

 ひとつの例として、これらの比較をしてみよう。立地条件が異なることで、さまざまな違いがあるものだ。立地が違えば、まず人の流れが違う。しかし、同じ広さのサロンを借りるとして、家賃の違いも大きい。住宅地よりもビジス街のほうがはるかに家賃が高い。それだけで損益分岐点も違ってくる。客層の違いもある。ビジネス街では、ビジネスマンやOLなどが中心的な客層になるのに対し、住宅地では、近隣の住人が対象になる。だから、ピークの時間帯にも違いが出てくる。
 一般的にビジネス街では、比較的短いコースが中心の高回転型の経営となるし、住宅地では、一度帰宅した後の来店になるので、長いコースが中心になる。そうしたことからも、サロンの内装や外装などもどうするべきかがおのずと変わってくる。

さまざまな独立開業スタイル

 一口に独立開業といっても、その規模はピンきりだ。小規模の場合には、たったひとりからでもできるし、ある程度の資金を投じて大掛かりにサロンを経営することもできる。タイマッサージビジネスでは、自分に合ったスタイルでビジネスを展開することが可能だ。「ハイリスクハイリターン・ローリスクローリターン」という言葉がある。大きなリスクを覚悟してビジネスを行えば、大きな利益を手に入れることができるし、リスクを最小限に抑えれば、その分利益も小さくなるという意味である。なるべく、「ローリスクハイリターン」を目指し、間違っても、「ハイリスクローリターン」は避けたいものだ。そのためには、まず、自分に合ったスタイルで事業を開始することが大切だ。「ローマは1日にしてならず。」とも言う。最初は小さな規模でスタートし、経験を重ねながら徐々に大きくすればいい。無理はリスクになるから禁物である。
 誰にも束縛されずに自分のペースでビジネスをしたい人は、まず、たったひとりで始めるのがいい。自分の実力を信じることができれば独立開業できるのだ。ひとりで始める勇気が無ければ、所詮、事業を展開することは無理である。中には、ひとりで営業していくつもりだったが、ほんの3ヶ月でスタッフを雇うまでになった人もいる。自宅をホームサロンに改装する、出張のみで営業する、ホテルやゴルフ練習場と契約する場合など、たったひとりでも事業をスタートすることができる。そこから夢が実現されるのだ。
 サロンを経営する場合には、スタッフを巻き込むことになる。自分ひとりではない分、綿密な計画が必要になる。そうは言っても、多くの客数をこなすことで売上が上がるというシンプルなビジネスなので、参入しやすい。料金は全国的に見ても、10分=1000円が平均で、60分6000円、120分12000円というのが相場である。お客様の平均単価が100分10000円くらいだとして、1日に5客なら5万円の売上、10客なら10万円の売上が見込める。1ヶ月の売上は、およそ、前者が150万円、後者が300万円ということになる。事業主は、この売上の中から、家賃や人件費などの経費を払っていく。家賃の高いところで開業すれば、売上を上げるために多くの客数をこなす必要があり、スタッフも多く雇う必要が出てくる。
 たとえば、同じ150万円の売上であっても、Aサロンは、家賃30万、社員数が3人。Bサロンは、家賃50万円、社員数が5人だったとしよう。社員のひとりあたりの給料が20万なら、Aサロンは60万円が粗利益だが、Bサロンでは全く利益が出ない計算になる。これが年間だと、Aサロンは720万円の粗利益。Bサロンはゼロということになる。
 経費の大半は家賃と人件費だから、この2つで利益は左右されることになる。つまり同じ売上であっても、損益分岐点の違いから利益には大きな開きが出てくるのだ。さらに売上をアップさせるのであれば、サロンの1角に物販コーナーを設ける方法がある。アジアのグッズやハーブボールなどを販売する場合には人件費がかからない。いずれにしても、サロンスタイルは、事業主の方針によるところが大きい。

業界の平均的な給与体系

 業界の歩合給の平均値は、サロン側が50%〜60%、セラピスト側が40%〜50%という割合で売上を分ける。固定給の場合には、20万円〜25万円が平均的な相場といえよう。経営者は、受付業務を兼ねたマネージャーを常駐させるのが一般的だが、小規模のサロンではオーナー自らがこれを行いながら施術も担当することが多い。ひとりで開業する場合には、施術時間中の予約の受付電話の対応をどうするかを考える必要がある。歩合給のセラピストは、サロンを選ぶ場合に、まず歩率を見て応募することが多いが、歩率が良くても暇な店もあるし、歩率が悪くても集客の多い店もあるので、入ってから数ヶ月で退職するケースもままならない。中規模のサロンでは、歩合給のセラピストと固定給の社員の両方を置くサロンが多いが、固定給の社員には、営業活動や事務作業、管理業務などを任せるのが一般的である。歩合給のセラピストにもチラシ配布などの営業活動をさせるのが当たり前だと考える経営者が多いが、「無給なのに、なんでやらなければならないの?」という不満からトラブルを招き退職するケースも多い。そこで、歩合給のセラピストに保証給をつけたり、固定給の社員に歩合給をつけたりするようになってきた。

これなら確実に儲かる

 タイマッサージは、身体ひとつで行えるため、とにかくお金がかからない。特別な道具がいらないし、機械を導入する必要もない。一度習得してしまえば、死ぬまでできるし、場所を選ばずどこででもできる。お客様から感謝されるし、自分自身の健康にも良い。腕一本で食べていけるという自信が人間を強くすることにもつながる。
「このビジネスを始めるには、ざっといくらくらいかかりますか?」と質問を受けることが多いが、想定するものによっても全く違う。数万円でもできるし、こだわればきりがない。しかし、なんと言っても、マット一枚あれば始められるのがこのビジネスのすごいところだ。そのマットでさえ、お客様に借りてしまえばいらないのかもしれない。
先行投資が少ないのなら、経営も比較的簡単だ。毎月赤字にしなければ、その経営は永久に続く。事実、本業以外に冒険をして失敗し、最終的に倒産する会社も山のようにある。自分のところ以外にも、取引先が倒産するなどして、入ってくるはずのお金が入らなくなって連鎖倒産するケースだってある。タイマッサージサロンの経営なら、こういった心配がない。現金商売だから管理がしやすいのだ。事業をするには、「人」「物」「金」の3つが揃わなければできないというのが、経済の常識だが、このビジネスを始めるにはこの基本原則が当てはまらない。
 もうひとつは、業界の特徴である。大企業が参入していないので、資金力にものを言わせて根こそぎ持っていってしまうような会社が業界内には存在していない。それもそのはず、セラピスト個人の力量が問われるビジネスであるために、金をかけたからといって、それに値するだけの人を育てることができるというものでもないからだ。リラクゼーション業界の最大手であるリフレクソロジーのRAJAでさえ、年商は100億円。業界全体の市場が2000億円あるので、そのシェアはたったの5%なのである。大手企業が市場を独占する業界ではないので、新参者にも勝算があるといえる。お客様は、企業のネームバリューや安心感よりも、セラピスト個人のホスピタリティやサービスを求めているということでもある。
 リラクゼーション業界では、スタッフへの賃金は歩合給がほとんど。通常、経理的な言い方をするなら、給与は固定費という扱いに入る。簡単に言えば、スタッフの給与は、売上に関係なく決まった額を支払っていくという意味である。だから、社員の給与や家賃は固定費という。ただし、歩合給の場合には、スタッフが売り上げた金額に対して決まった割合を支払うだけだから、売上によってその金額は変わってくる。よって、変動費という扱いになる。つまり、スタッフが売上を上げないなら、お金を払う必要がない。経営者にとってこんな好都合なことはない。
 まあ、現実的に考えれば、スタッフを苦しめてばかりいては、すぐにやめてしまって後が続かないから、いろいろと条件面を考えることになるわけだが、業界の常識が経営者にとって都合のいい塩梅であることは事実。素人でもこれならこの業界に参戦しやすいというものだ。

仕入れがないからリスクがない。

 仕入れがないということは、借金を背負いこまないということだ。リラクゼーションサロンは、仕入れがなくても営業が可能だ。仕入れがないということは、ビジネスを行う上でとてもリスクが低い。それは、成功する可能性が大きいということ。もし失敗しても損が少ないということだ。
 他の業種と比較をしてみよう。衣料品店を始める場合、肝心の商品を仕入れしなければ何も始まらない。仕入れした商品も、そのすべてが売れるわけではない。だから、セールがある。安売りすれば利益は当然圧迫される。そんな利益の中から再び新しい商品を仕入れしなければならない。売上からではなく、利益の中から次の商品を仕入れする。規模の格差はあるにせよ、毎月数十万円から数百万円の仕入れが必要になる。これだけの利益を出し続けるというのは大変なことだ。衣料品店では、開業資金のほかにこうした運転資金を準備しておかなければ健全な営業ができないのだ。飲食店を始める場合にも食材の仕入れが必要になる。ましてや、仕入れした商品や食材には必ずと言っていいほどロスが出る。利益を上げるには、売り上げを伸ばすだけでなく、ロスを減らすことも同時に考えなくてはならない。店主は仕入れと売り上げのバランスに頭を悩ませることになる。コンビニ加盟店も同様で、お弁当は日々本部から仕入れを行い、売れなければ廃棄処分にする。こういったロスはすべて小売店側のロスとなってしまう。このように在庫を抱える商売では、売上がとれていても仕入れとのバランスがうまくいかないと、資金をさらに調達する必要が出てくる。銀行から融資を受けて商品を仕入れし、今度はその商品を販売するために努力をする。しかし、またそれが思ったように売れなければ、再び融資をお願いしなければならなくなる。銀行側も、売り上げに対しての評価ではなく、利益に対しての評価がほとんどだから、融資が受けられなければ、閉店を余儀なくされることになる。繁盛しているように見えたお店が、ある日突然閉店しているのを時々目にするが、こういった事情がある場合がほとんどなのだ。閉店をした場合、売れ残った商品だけが残る。そういった経緯で100円ショップなどに商品が並ぶわけだが、二束三文で買い取ってもらった後には、それでもまかないきれなかった借金だけが残るというのが普通だ。このように仕入れをする商売には、高いリスクが付きまとうものなのである。
 リラクゼーションサロンの場合はどうだろう。仕入れがない分、運転資金もさほど必要ない。日常的に生じる経費といえば、電気代などの水道光熱費、電話代などの通信費、ボールペンなどの事務用品費、オイルやクリームなどの消耗品費がせいぜい。スタッフを抱えているなら給与としていくらか資金をプールしておけばよい。つまり、運転資金が必要ないということは、借金をしなくても営業ができるということ。オーナーは資金繰りに頭を痛めない分、サービスの拡充やスタッフへの気配りができる。だから、サービスが向上し、より多くのお客様のご来店を促すことにつながり、さらに発展できる。とても健全で前向きなビジネスだと言えるだろう。

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